二次創作小説
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KANRI

スカイガールズ IF 風の求め

第3部 失くさずにすんだもの

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「あ、一条教官!」
 シミュレータールームに着いた瑛花を迎えたのは訓練生の2人。三槻京香(みつき きょうか)とクリストゥール・ラズゥだった。
「どうだったですか?今日は?」
 京香が物怖じすることなく聞く。
「40点」
「はぁ……そうですか」
 一刀両断の採点にがっくりと肩を落とす。が、すぐに気を取り直す。
「でも、昨日は38点でしたし、この調子でいけばいつかは100点取れるですよね?」
「……その前に航空祭が終わる」
 無表情のまま、クリストゥールが突っ込む。
「まあ、上達しているのは事実よ。いつものように今回の問題点と改善案を提出すること。今夜中に」
「はいです!」「……了解」
 対照的な返事。瑛花は常々不思議に思っている。能天気なほど明るく、落ち込んでもそれ以上の速さで立ち直る京香。無感情ではないがほとんど感情を出さないクリストゥール。見るからに対照的なふたりは、しかし仲がいい。最初は京香がクリストゥールにつきまとっているだけかとも思ったのだが、そうでもないようだ。京香曰く「クリスさんは照れ屋なんです〜」とのことだが。

「次の課題は転送してあるわ。昼食前に終わらせておくこと。それと、あとのふたりとはしばらく別行動になるから」


「さて……」
 京香に引っ張られていくクリストゥールを見送ると、瑛花は反対側に目を向ける。その先からはいがみ合う声が聞こえてくる。
「……ですからリーダーは私なんです。きちんと従ってください!」
「なによ、えらっそうに。たまたま1日早くここに来ただけでさ。それでリーダー風吹かされてもね〜」
「なっ……!?それなら白黒つけましょう。今夜9時に、シミュレーターで」
「望むところよ。けちょんけちょんにしてやるんだから!」
「面白そうな話ね。私にも聞かせてくれる?」
「ひっ……!?」「あ……教官!?」
 絶対零度の声が言い合っていたふたり――訓練生の現リーダーであるクラウリア・サーク・サウディと島月一衣(とうげつ ひとい)――を凍りつかせた。
「自由時間にまで訓練?熱心な教え子に恵まれて私は幸せね」
 口調こそ――気味が悪いほどに――穏やかだが瑛花の目は底冷えする光を放っている。
「サウディ!」
「はいっ!」
「確かにあなたをリーダーとしたのは私よ。でもそれは暫定的なもの。忘れないで」
「はい……」
「やーい、怒られてやんのー」
「島月!あなたも!」
「は、はいっ!」
「あなた達はチームなのよ。和を乱すのはやめなさい」
「はい……。でも……」
 一衣が食い下がる。
「納得いきません。なんでこんなのがリーダーなんですか」
「こんなの……。一衣さんこそ。あなたにその資格があるとは思えません」
「この……人が下手に出てれば」
「下手?言葉も正しく使えない人に言われたくありません!」
 再び睨み合うサウディと一衣。そして――

 追浜試験場に雷が落ちた。

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