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| 射手の名前 2ページ目
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「誰かいるのか?」
「ひゃっ!?」
唐突に投げかけられた声と視界に入った灯りに、ちとせは悲鳴をあげてしまう。
「ん?お前は」
声の主。ちとせにライトを向けていたのはエルシオールの現司令官、レスター・クールダラスだった。
「なにをしている?こんなところで」
多分に呆れを含んではいたがその声に責めるような色は無い。
「……あ……それは……その……」
「ふむ……」
口ごもってしまったちとせをながめつつ、レスターは口元に手をあてる。
そして――
「悩み事か」
「ええっ!?」
いきなりの核心にちとせはさらに狼狽してしまう。
「ど、どうしてそれを……」
何も言っていないのに……。はっ、まさか!?
「クールダラス司令もテレパスだったんですね?」
とっさにちとせがはじき出した結論は――
「あのな……どこをどうやったらそんな答えが出るんだ?」
あっさりと否定されてしまう。
「では……」
「少し考えればわかることだろうが」
「はい?」
「たいした理由もなしにこんな時間にこんなところをうろつく、なんてことはしない。お前との付き合いはまだ数日だがな、それくらいには理解してるつもりだ。烏丸ちとせ、という人間をな」
「あ……」
言われてみればたしかに……。私なら、というのはともかく、こんな時間にこんなところにいる、というのはたしかに非常識かもしれない。でも、それなら……。
「あの、司令はどうしてここに?」
「ん、ああ、最近またキナ臭くなってきてるのは知ってるな?」
最近……?
記憶をたどる。そして――
「強奪船団、ですか?」
「ああ、今度は皇国軍の駐留基地が……壊滅させられた」
「壊滅!?」
駐留基地、といってもその規模はいろいろある。でも、いくらかの戦力があったのは間違いないはず。それが壊滅させられた、ということは――
「侮れる連中じゃない、ってことだ。ただの火事場泥棒じゃあない。エルシオールとムーンエンジェル隊もその対応に出ることになる。近いうちにな」
「実戦、ですね」
ムーンエンジェル隊に志願した時から覚悟はしていたけど……。
「ああ。その手続きやらでこんな時間になった。で、寝る前に艦内の見回りをしていた、ってわけだ」
「それは、お疲れ様です」
「それで?」
「はい?」
逆に問いかけられたちとせの顔に疑問符が浮かぶ。
「お前の悩み事、だ。さっき言ってたろう?」
「あ、はい」
「無理に話せ、とは言わん。俺でどうこうできるかもわからんしな。聞く、くらいはできる」
口調も内容もぶっきらぼうではあったが冷たさはなかった。
「それは……」
口を開きかけて、止まってしまう。
これは、私の問題だから。でも、相談に乗ってもらえるなら……。
続き
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