二次創作小説
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KANRI

GALAXY ANGEL ― The meaning of the name ―

4話 現れる脅威 2ページ目


 「くっくっく、役者だねぇ」
 サクリファイスのコックピットでラスクは、意地の悪い笑みを浮かべていた。独り言、ではなくシャープシューターとの通信――秘匿回線で。
『相変わらずのFakerぶりですね、あなたも』
 ちとせもやりかえしてきた。

 先ほどのやり取りはラスクが即興で筋書きを書いたものだった。こっそりとブリッジの会話を盗み聞いていたラスクは、これは上手くないと判断。ちとせを巻き込んで一芝居打つことにしたのだ。

「お褒めに預かり恐悦至極、ってな。せっかく“英雄烏丸ちとせ”って肩書きがあるんだ。使わないテは無いだろ?どうせタダなんだし」
 悪びれた様子の欠片も無く言ってのける。
『だからどうしてあなたはいつもそういう言い方を――』
 呆れ口調でのすっかり聞き慣れたセリフは途中で途切れる。
『今回はよしとします。皆さん固さがとれたみたいですし』



 ――本当、大したものですよね……。

 内心でちとせはそんなふうに思う。ラスクに聞かせる気には全くなれなかったが。
「私も初陣の時は不安ありましたし……」
 当時を思い出してぽつりともれた言葉。
『お前の初陣って……エオニアの残党が強奪船団やってた頃だっけ?』
「よく……ご存じですね」
 そんなことまで知っていたラスクに思わず目を丸くする。
『ま、興味があったんでな。ちょいと調べたのさ』
 ラスクの口調も雰囲気も、普段のそれとまるで変わらない。
「無理、しているわけじゃないですよね?」
 けれどそれでも、そんな考えが頭をもたげる。
『うん?』
「さっきのお芝居では戦闘になるとは限らないと言いましたけど……私の予想では十中八九交戦することになります」
『ああ、俺も同感』
 飄々とした声が返ってくる。
「フェイカーさんにとっても初めての実戦になります。そして、相手の戦力は未知数なんですよ?」
『らしいな』
「その割には落ち着いて……と言いますか、すごく余裕があるように見えるんです。だから、カラ元気を装ってるんじゃないかって……そう思ったんですけど」
『…………ふむ』
 少し考え込むような間が開く。
『なんでかは知らんが……不思議とそういう感情が湧いてこないんだよな。ま、その時になってパニックを起こさなきゃいいんだが』
『ドライブアウトの予兆を確認。間もなくです』
 ブリッジからの報告があがる。ちとせも表情を改めた。
「こちらにも映像をください」

 目の前のディスプレイに艦が次々に姿を見せる。その数は18。

「生体反応は?」
『全く検出されません。全て無人です』
「こちらの呼びかけには?」
『一切応答ありません。ああっ!?エ、エネルギー反応!武装を起動したようです!』

 ――やっぱり……。

 ちとせは即断する。
「……現時刻をもって不明艦隊を敵艦隊と認識します!私たちが出た後エトランゼは後方へ。敵艦隊のスキャンと分析をお願いします。結果はリアルタイムで私とフェイカー少尉にまわしてください」
『りょ、了解しました』
「艦長、エトランゼのこと。お願いします」
『うむ』

「出ます!フェイカー少尉、準備は?」
『オールグリーン!いつでも行けます』

「GA006・シャープシューター。烏丸ちとせ、行きます!」
『PW02・サクリファイス。ラスク・フェイカー、出るっ!』

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