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| GALAXY ANGEL
― The meaning of the name ― 3話 発端 2ページ目
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「悪い。待たせちまったか?」
ようやくラスクがシミュレーターから姿を現した。
「いえ、私も考えること、ありましたから。それよりこれを」
いつものようにタオルと水筒を渡す。
汗を拭きとると、ラスクもまた、コップ替わりのフタに注いだドリンクをゆっくりと口に含んでいく。
最初は、なんとなくで真似ただけだった。が、実際ちとせがやっているように飲んだ方が、疲労が抜けやすいと気づくなり、ラスクも同じことを習慣化していた。
「ふぅ。ところで、あとどれくらい残ってるんだ?コレ」
ちゃぷん、と水筒が音を立てた。
「まだ沢山残っています。……以前に特売で、粉末を箱買いしてしまいましたからね」
「ま、腐るものでもなし。あって困りもしないからな。さて、いい時間だ。そろそろメシにするか。……今日の昼はなんだ?」
ちとせが毎日の献立まで把握していることはすでに学習済みだったので、いつものように聞いてみる。
「えと……わかりません」
が、返答は初めて聞くものだった。
「めずらしいな」
「なんというか、その……。いろいろありまして。まあ、行ってみればわかりますよ」
「それもそうか」
ほんの少し、引っかかりを感じたものの、大したことではないと判断したラスクは流すことにした。
ちとせが答えられなかった理由こそがのちに起きる騒動の一因となり、解決への糸口ともなるのだが、この時のふたりには知る由もないことだった。
「向い、失礼しますよ。大尉」
自分用のトレーと、ふたり分の水を用意して来たラスクは、ちとせの向かいに座った。
「今日はまた、随分と豪勢ですね」
周囲にはまだ、人の目があったので当然のごとく対上官モードを実装中である。
「ええ……。たまにはいいかもしれませんけど……」
一方のちとせは、なぜか表情がすぐれない。
トレーの上にはサラダが入った小さな器がひとつ。白米の盛られた茶碗。そして、大皿には骨付きもも肉をまるごと使った、大振りのフライドチキンが乗っていた。
「大尉は鶏肉が苦手ではありませんでしたよね?」
「そういうわけではないんですけど……」
やはりちとせの歯切れは悪い。
「いえ、沈んでいても仕方ありませんよね」
軽く首を振って、気を取り直す。
「そうですよ。事情はわかりませんけど……せっかくごちそうにありつけるんだろ?美味しくいただいてやるのが礼儀って……ものではありませんか?」
「そうですね」
人目に合わせて目まぐるしくモード変更を行うラスクに軽く苦笑しつつも、同意するちとせ。確かに、彼の言うことは真理だろう。
「では、いただきます」「いただきます」
さっそくチキンをひとかじりする。
爽やかな酸味が鼻腔を通り抜けた。
「ん……。美味い」
「ええ。これ、鶏肉にレモンの果汁を吸わせてあります……。これだけの量があると、どうしても重くなりがちですけど、これならいくらでもいけそうですね」
「……なるほど、その発想は無かったよ」
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