二次創作小説
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KANRI

GALAXY ANGEL ― The meaning of the name ―

幕間 大尉の理由と犠牲の理由 2ページ目


「もう5年近くも前のことだが……。ヴァル・ファスクとの最終決戦のことはおぼえているな?」
「へ……。あ、はい。おぼえています……けど?」
 なにが言いたいのか。イマイチわからないアルモ。
「なら、敵旗艦、ゲルンの艦を沈めたのは?」
「ちとせさん、ですよね」

 ヴァル・ランダルでの決戦のこと。形勢が不利になるや、旗艦ギア・ゲルンはエルシオールへと特攻。それを阻止したのがちとせのシャープシューターだった。30000以上の距離から放たれた必殺の一矢、フェイタルアローは、正確に敵旗艦の機関部を射ち抜いていた。

「あいつは、その時のことをひどく悔やんでいた。自分が、エルシオールを救った、にもかかわらずだ」
「おぼえてます……。あの後のちとせさん……見てられなかった」

 確かに、ギア・ゲルンを破壊したのはちとせだった。が、同時にそれは、クロノ・クエイクへの引き金を引くことでもあった。結局、発動前にクロノ・クエイク・爆弾を破壊することは出来ず、クロノ・クエイクを阻止したのは、タクトとミルフィーユ、ふたりの犠牲と引き換えて、だった。
 半年後、アナザースペースを開き、ふたりを救出することはできたし、クロノゲートはその過程での発見だった。
 けれど、ちとせにしてみればそれは、結果論でしかなかった。

「アナザースペースを開く目途がついてからは、少しだけ落ち着いたようだが、それまでは……寝食もロクに取らず奔走していたからな。先にあいつが、潰れやしないかと不安だったよ。……それが、わずか半年でアナザースペースを開けられた一因というのは、皮肉な話だが」

 さらにもうひとつ、ちとせを打ちのめした事実があった。それは、クロノ・クエイク・爆弾を破壊できなかった理由。
 後で検証してわかったこと。その理由は――クロノ・クエイク・爆弾の装甲強度を超えられなかったため、だった。そして、ちとせ次第では破壊できたかもしれない、ということ。
 総エネルギー量においてシャープシューターのフェイタルアローは、ハイパーキャノンやストライクバーストよりも数段劣る。だが、その性質上、一点への力――貫通力という点においてフェイタルアローは、他の追随を許さない。
 そして、最大で6連射が可能なフェイタルアローを、寸分違わず同じ点に叩き込むことができたなら、――理論上は――クロノ・クエイク・爆弾の破壊は可能だった。

「あの時、あの場所にいた誰もが自分の無力さを恨んだだろうさ。だが、ちとせにとってのそれは、ずっと大きかったんだろうな。5年近くたった今でも、淀んでいるなにかが拭いきれないくらいに」
「じゃあ……ちとせさんは……」
「今でも許せていないんだ。自分の未熟さを。……あいつのことを未熟と思っているのも、あの時のことであいつを恨んでいるのも、本人以外にだれもいないってのにな」

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