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| GALAXY ANGEL
― The meaning of the name ― 2話 天使とペテン師 3ページ目
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敵機との距離、6000。
「くそっ!これ以上は……近づけないか?」
ほどなくして、ラスクは読みの甘さを思い知らされていた。最初のうちは目論み通りに進んでいた。接近戦に持ち込めば勝機はある。だが、射程内であるなら、近いほど命中させやすくなるのは自明の理。相手も例外ではなかった。ラスクが付け入ろうとした3つの一瞬。その中のひとつ。発射から着弾までの時間は、距離に反比例して短くなっていった。結果、かわしきれないものが増え、機体の損傷は無視できるレベルを超えていた。こうしている今も、直撃をさけるのに手一杯で間合いを詰めるどころではない。
――足を止めての長距離射撃。戦闘機のセオリーからは外れてるが……あいつには合ってるな…………恐ろしく。射程の長さってのは、精度が尋常でなくなるだけでここまで脅威になるのかよ……。正攻法じゃあ、勝ちの目は薄いか。
劣勢にもかかわらず、ラスクの口元には不敵な笑みが浮かんでいた。
「なら……俺らしい手口で行かせてもらう」
「6000……さすがにやる……」
ちとせもまた、額に汗を浮かべていた。
射撃と射撃の隙間を突いて間合いを詰める。それは想定の内だった。が、ここまで接近されるとは思っていなかった。
シャープシューターの攻撃は確実にサクリファイスをとらえている。なのに、まだ相手を仕留めきれずにいた。
――巧い。
偶然なのか技巧なのか、あるいは直感によるものなのか。敵機は急所への被弾だけは巧妙に避け続けていた。
――まだ実戦経験は無い。そう言っていたけれど……当時の私……ううん、回避に関してなら……ミルフィー先輩やランファ先輩にも引けをとっていない。
かつて、ムーンエンジェル隊の切り込み役だったふたりの雄姿が浮かんだ。幾度となく先陣を切り、ただの一度として、撃墜されることのなかった先輩天使達の姿が。
このままでいいのか?そんな疑問がよぎる。
――あの人を敵にする場合。なによりも怖いのがとっさのアドリブ。機転、ということに関しては並外れていた。恐らくは……天性のもの。
現在の距離は6000。まだ一方的に狙い撃てる間合いではある。けれど、ちとせは嫌なものを感じていた。すでに自分は網にかけられているのではないか?と。
「違う」
――迷うべきじゃない。迷いは焦りを生む。そうなれば自滅させられる。自分を見失っては駄目。
それこそが警戒すべきもの。そう自分に言い聞かせる。
――油断だけはしないで。あの人がいるところでは、最後の最後まで勝敗はわからない。……敵であっても味方であっても。
迷いを振り切り、気組みを立て直す。
その時、サクリファイスの動きに変化があった。
続き
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